インプラント治療

インプラントは「入れて終わり」ではありません

長く使うためのメンテナンスと寿命の考え方

こんにちは。いそ歯科医院 院長の大川です。

インプラントのご相談でよく伺う一言があります。

「インプラントを入れたら、もう安心ですよね?」

お気持ちはとてもよく分かります。長い治療期間や手術を乗り越えて、ようやくかぶせ物まで入ると、「これで一段落ついた」「もうあまり気にしなくていいのでは」と思いたくなるのは当然のことです。

ただ、歯科医の立場からお伝えすると、インプラントは「入れてから」が本当のスタートなのです。

今回は、インプラントを長く使うために大切なこと、メンテナンスで何をしているのか、そして「寿命」をどう考えればよいかを、できるだけ分かりやすくお話ししたいと思います。


1. インプラントにも「歯周病のような病気」があります

インプラントは虫歯にはなりませんが、インプラント周囲炎という歯周病によく似た病気があります。

歯ぐきが腫れる、出血しやすくなる、骨が少しずつ溶けていくといった症状は、歯周病とほぼ同じです。

インプラント周囲炎が進行すると、インプラントを支えている骨が減り、最悪の場合はインプラントがぐらついたり、抜去せざるを得なくなることもあります。

「せっかく入れたのに、そんなことがあるの?」と思われるかもしれませんが、

きちんとしたメンテナンスとセルフケアを続ければ、リスクをかなり下げることができます。

そのために、「入れてから」の過ごし方がとても大切になるのです。


2. 治療が終わったあとの大まかな流れ

インプラント治療は医院によって細かい進め方が異なりますが、当院では大まかに次のような流れになります。

① 手術後〜インプラントが骨になじむ期間

  • 数ヶ月かけて、骨とインプラントがしっかり結合するのを待ちます
  • 必要に応じて仮の歯で形や噛み合わせを確認します

② 最終的なかぶせ物(上部構造)の装着

  • 噛み合わせや見た目を確認しながら、かぶせ物を仕上げます

③ メンテナンス(定期検診)のスタート

  • 最初は3〜4ヶ月ごとのチェックを基本にすることが多いです
  • お口全体の状態が安定している方は、間隔を少し広げることもあります

この**「③ メンテナンス」**の部分が、インプラントの「寿命」を大きく左右するポイントです。


3. メンテナンスでは何をしているのか?

「定期検診では何を見ているのですか?」という質問もよくいただきます。

インプラントの場合、当院では主に次のようなことを確認しています。

■ 歯ぐきの状態

  • 赤み・腫れ・出血の有無
  • プラーク(汚れ)の付き方

■ インプラントと周囲の歯の清掃状態

  • 歯ブラシが当たりにくい場所がないか
  • ご自宅でのケア方法が適切か

■ 噛み合わせ・かぶせ物の状態

  • 噛み合わせのバランス
  • かぶせ物の欠け・緩み・ネジのゆるみがないか

■ 必要に応じてレントゲンで骨の状態を確認

  • 骨の量が大きく減っていないか
  • 周囲の歯根や他の治療部位との関係

また、歯科衛生士による専用器具を使ったクリーニングで、ご自宅のブラッシングだけでは落としきれない汚れや、インプラント周囲のバイオフィルム(細菌のかたまり)をしっかり取り除いていきます。


4. ご自宅でできるインプラントのケア

ご自宅でのケアは、基本的に

「インプラントだから特別なことをする」というより、“普通の歯より少しだけ丁寧に”を意識する

くらいの感覚で構いません。

たとえば、歯ブラシでインプラントの周りをていねいに磨く、場合によっては歯間ブラシやフロスなどの補助用具を併用するなど、清掃方法はインプラントの位置や本数に応じて個別にご説明します。

大切なのは、「このやり方で本当に合っているのかな?」と疑問に思ったら、次のメンテナンス時に遠慮なく質問していただくことです。

インプラントの位置や周囲の歯並びによって、使いやすい道具や磨き方は変わります。

何種類も買い揃えるより、まずは自分に合う最小限の道具を一緒に選ぶ

というイメージで考えていただければ大丈夫です。


5. こんなサインがあれば、早めの受診をおすすめします

次のようなサインがある場合は、メンテナンスの予定日を待たず、早めの受診をおすすめします。

  • インプラントのまわりの歯ぐきが腫れている・赤くなっている
  • 歯ブラシのときに出血が続く
  • 噛んだときに痛みや違和感を感じる
  • インプラントのあたりから膿が出る・変な味がする
  • 「なんとなく前よりも噛み合わせが変わった気がする」

これらは、インプラント周囲炎の初期サイン、かぶせ物やネジのトラブル、噛み合わせの変化などの可能性があります。

早めに対処すれば、大きなトラブルになる前に戻せることも多いです。

「様子見でいいのか分からない」ときは、ひとりで判断せず、遠慮なくご相談ください。


6. 「寿命」をどう考えればいいか

「インプラントは何年くらい持ちますか?」というご質問もよくいただきますが、正直なところ一概には言えません

インプラントの本数・位置、骨の量・質、噛む力・食いしばりの有無、全身状態・お薬、日々のセルフケアと定期メンテナンスの頻度など、こうした要素が組み合わさって、「持ち方」には個人差が出てきます。

たとえば、入れたあともきちんとメンテナンスに通っている方、ブラッシングや生活習慣に気を配っている方では、インプラントを10年、20年と問題なく使えている例も少なくありません。

一方で、メンテナンスが中断している、インプラント周囲炎が進行しても気づかず放置されていたといった場合には、残念ながら早い段階でトラブルが起こることもあります。

インプラントの寿命は、「入れたときの状態」と「その後の過ごし方」の両方で決まる

と考えていただくとよいでしょう。


7. まとめ:インプラントを「長く仲良く使う」ために

インプラントは、しっかり噛めるようになる、他の歯の負担を減らす、入れ歯の違和感を減らせるといった意味で、とても優れた治療法です。

ただし、

「入れて終わり」ではなく、「入れてからが本番」

という点だけは、ぜひ覚えておいていただきたいと思います。

定期的なメンテナンスでプロの目を入れる、ご自宅でのケアは無理のない範囲で”少し丁寧に”を続ける、気になるサインがあれば早めに相談する——こうした積み重ねによって、インプラントの「寿命」は大きく変わってきます。

これからインプラントを考えている方も、すでにインプラントが入っていて今後が少し不安な方も、

「どうすれば長く使えそうか」を一緒に考える時間

を持つことは、とても意味があると思います。

不安な点や気になっていることがあれば、カウンセリングや定期検診の際に、遠慮なくご相談ください。

いそ歯科医院ではインプラントの無料メール相談も行っております。是非ご利用ください!

いそ歯科医院 歯周病ホームページ https://www.isodent.

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