インプラント治療

70代以降でインプラントを考えている方へ

「どこまで治すか」と「無理をしないライン」

こんにちは。いそ歯科医院 院長の大川です。

インプラントというと「若い人の治療」というイメージを持たれる方もいますが、実際には、

  • 70代になってから
  • あるいはそれ以上の年齢になってから

初めてインプラントを真剣に考え始める方も少なくありません。

  • 入れ歯が合わず、しっかり噛めない
  • 旅行や外食で、食事を楽しみにくくなった
  • 同年代の方がインプラントを入れて、快適そうにしているのを見た

こうしたきっかけで、

「自分の年齢でもインプラントはできるのだろうか?」
「今から治す意味はあるのだろうか?」

と悩まれる方が多いようです。

今回は、70代以降でインプラントを検討している方に向けて、

  • 年齢を重ねてからインプラントを考えるときのポイント
  • 「どこまで治すか」と「無理をしないライン」
  • 当院が大切にしている考え方

をお話ししたいと思います。


1. 年齢だけで「インプラントは無理」とは限りません

まず大前提として、

「70代だからインプラントは絶対に無理」

ということはありません。

実際に、70代・80代でインプラント治療を受け、その後の食事や生活の質が大きく改善した方もいらっしゃいます。

インプラントが可能かどうかを判断する際に重要なのは年齢そのものではなく、

  • 全身の健康状態(持病・体力・お薬など)
  • お口の清掃状態・歯周病のコントロール
  • 手術や通院にどこまで対応できそうか
  • 将来的に、ご自身あるいはご家族がどこまでケアできるか

といった要素です。


2. 70代以降ならではのポイント

70代以降でインプラントを考えるときには、次のような点を一緒に確認していきます。

① 全身の病気・服薬状況

  • 糖尿病、高血圧、心臓病、脳血管疾患などの有無
  • 抗凝固薬(血液サラサラの薬)や骨粗鬆症薬を服用しているか
  • 手術そのものに耐えられる体力があるか

これらの状況によっては、インプラントが安全に行えない場合や、当院ではインプラント手術を行わず、他の方法を優先することもあります。

② 手指の器用さ・視力・通院のしやすさ

  • ご自身で歯ブラシや補助用具を扱えるか
  • 定期的なメンテナンスに通える環境か
  • 必要な場合、ご家族の協力を得られそうか

インプラントは「入れて終わり」ではなく、その後の清掃とメンテナンスが非常に重要です。

③ 将来、介護が必要になったときのこと

将来、介護が必要になったときに、

  • 介護者が清掃しやすいか
  • 口の中が複雑になりすぎていないか

といった点も大切です。

たとえば、本数を欲張りすぎず、シンプルな設計にすることで、将来のケアをしやすくすることも考えていきます。


3. 「全部治す」ことだけが正解ではありません

70代以降のインプラント相談では、

「すべての欠損部をインプラントで埋める」

ことが必ずしも正解とは限りません。

むしろ、

  • 特に大事な部分(よく使う側の奥歯など)にだけインプラントを使う
  • 他の部分は、負担の少ない義歯やブリッジで補う
  • すべてを完璧に整えるのではなく、「これだけ整えば十分」と割り切る

といった考え方が現実的なことも多くあります。

「無理に全部治そうとしない」
「生活の中で、特に困っている部分を優先する」

という視点で、一緒にプランを考えていくことが大切です。


4. 入れ歯を工夫する、という選択肢も含めて考えます

インプラントのご相談に来られた方でも、お話を伺い、診査・診断を行ったうえで、

  • 全身状態や服薬の状況
  • 歯周病の進行度
  • 清掃状態やご家族のサポート体制

などを総合的に判断し、

「インプラントよりも、入れ歯を工夫する方が安全・現実的」

と考えられる場合もあります。

その場合、当院では

  • 入れ歯の設計を見直す
  • できる限りしっかり噛めて違和感の少ない義歯を目指す
  • 残っている歯の負担を減らす工夫をする

といった方向で治療を進めることもあります。

インプラントを行わないと決めた場合でも、

「では、どうすれば少しでも快適に噛めるようになるか」

を一緒に考えることが、何より大切だと考えています。


5. 「今が最後のチャンスかもしれない」と焦らなくて大丈夫です

70代以降のご相談では、

  • 「今を逃したら、もう二度とインプラントはできない気がして…」
  • 「年齢的に、やるなら今すぐ決断しなければ」

と、強くプレッシャーを感じていらっしゃる方もいます。

もちろん、年齢とともに選択肢が狭まることはゼロではありません。
しかしだからといって、

焦って大きな決断をしてしまう必要はありません。

むしろ、

  • 今の状態で、どんな選択肢が現実的かを整理する
  • インプラントを選ぶ場合・選ばない場合のメリット・デメリットを知る
  • ご家族とも十分に話し合う

といったプロセスを大事にしていただきたいと思います。

当院では、その場で決めていただくことを前提としたカウンセリングは行っていません。
資料をお渡しして、家でゆっくり考えていただくことを前提にしています。


6. 当院が大切にしていること

70代以降のインプラント治療について、いそ歯科医院が大切にしているのは次のような点です。

  • 無理をしないこと → 全身状態・生活環境を踏まえ、「頑張りすぎない」治療計画を一緒に考える
  • 「あと何年生きるか」ではなく、「その期間をどう過ごしたいか」を重視すること → 食事・外出・趣味など、日常生活で何を大事にしたいか伺いながら考える
  • インプラントをしないという選択肢も、きちんと説明すること → 安全性や管理の観点から、インプラント以外の方法が妥当な場合は正直にお伝えする

「インプラントを強く勧めるための医院」ではなく、その方にとって現実的で、後悔の少ない選択を一緒に探す医院でありたいと考えています。


7. まとめ:まずは「今の状態」と「選択肢」を知るところから

70代以降でインプラントを考えている場合、

  • 「もう遅いのでは」と心配している方
  • 「やるなら今しかない」と焦っている方

そのどちらもいらっしゃいます。

大切なのは、

年齢だけで判断せず、今の全身状態・お口の状態・生活の希望を整理したうえで、どこまで治すか、どこで無理をしないかを決めていくこと

だと思います。


ご相談をお考えの方へ

  • ご自身の年齢でインプラントが現実的か知りたい
  • 入れ歯のままにしておく場合との違いを聞きたい
  • 家族にも説明しやすい形で話をまとめたい

という方は、まずは検査と治療計画のご相談だけでも構いません。

「手術の日程を決めること」ではなく、**「これからの選択肢を知ること」**を目的に、お気軽にご相談いただければと思います。

当院ではインプラントの無料相談を行っております。是非ご利用ください!

いそ歯科医院 歯周病ホームページ https://www.isodent.

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