「全部変えなくていい場合」と「変えておいた方がいい場合」
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。いそ歯科医院 院長の大川です。今年もグログを頑張って更新していこうと思います。
さて診療中によく伺うお悩みのひとつに、

- 「口を開けたとき、奥歯の銀歯が目立つのがイヤ」
- 「年齢的にも、そろそろメタルフリーにしたい」
- 「全部セラミックにした方がいいのか、どこまでやるべきか分からない」
といった、銀歯を白い材料に変えたいというご相談があります。
最近は「メタルフリー」という言葉もよく耳にするようになり、
銀歯 = すぐにでも全部取り替えた方がいいもの
というイメージを持たれている方も少なくありません。
一方で、歯科医の立場から見ると、
- 「見た目」の問題だけでなく
- 「歯の強さ」「噛み合わせ」「これから何十年どう使うか」
といった要素も合わせて考える必要があります。
今回は、奥歯の銀歯を白くしたいと考えている方に向けて、
- 銀歯を「無理に全部変えなくていい」場合
- むしろ「早めに変えておいた方がいい」場合
- いそ歯科医院が大切にしている考え方
をお話ししたいと思います。
1. 銀歯を白くしたい理由は人それぞれ
まず、銀歯を白くしたい理由は、大きく分けると次のようなものがあります。
- 口を開けたときに見た目が気になる
- 会話や食事のとき、人から見えてしまうのが気になる
- 将来的な金属アレルギーが心配
- 「長く使っている銀歯の内部の虫歯が心配」
- メタルフリー治療という言葉を聞いて、「銀歯は古い・良くない」というイメージを持っている
どれも自然な感情ですし、「きれいにしておきたい」「将来のリスクを減らしたい」というお気持ちはとてもよく分かります。
ただし、実際の治療を考えるときには、
“見た目だけ”で決めてしまわないこと
がとても大切です。
2. 「今すぐ全部変えなくていい」銀歯とは?
歯科医の視点から見て、
無理に今すぐ全部変えなくてもいい銀歯
というのは、たとえばこんな状態です。
- レントゲンや拡大鏡で見ても、内部に虫歯の再発が見られない
- 噛んだときの痛み・しみる感じがない
- 銀歯と歯との境目がなめらかで、段差や隙間が少ない
- その部位が特に強い噛みしめの負担を受けていない
このような銀歯は、
「今すぐすべて外してやり直す」というよりは、定期検診で様子を見ながら、必要なところから順番に検討していく
という考え方でも十分なことが多いです。
3. むしろ「早めに変えておいた方がいい」銀歯とは?
一方で、次のような銀歯は、
見た目の問題だけでなく、歯の寿命を守るために早めの対応を検討した方がよい場合があります。
- 銀歯と歯の境目に茶色い筋や黒ずみが見られる
- 銀歯の縁が欠けている・浮いている
- 噛んだときに違和感・痛み・しみる感じがある
- レントゲンで、銀歯の内側に**二次カリエス(再発した虫歯)**が疑われる
- 歯にヒビが入っている可能性がある部位(特に大きな銀歯)
こうした場合、
- 「銀歯を白くする」というより
- 「歯を守るために治療し直す」のが主目的
になります。
そのうえで、どうせやり直すのであれば、白い材料を選択肢として検討してみるという流れが自然だと思います。
4. 奥歯を白くするための主な選択肢
奥歯の銀歯を白くする方法には、いくつか種類があります。
細かい分類はここでは省きますが、イメージとしては次のようなものがあります。
① レジン(白いプラスチック)の詰め物
- 小さな虫歯や、銀のインレー(詰め物)を白くしたい場合
- 歯を削る量は比較的少なめ
- 経年的にすり減りやすい/色が変わりやすいという面もある
② ハイブリッド系・CAD/CAM冠などの保険の白い被せ物(条件付き)
- 上下の小臼歯など、一部の歯では保険の白い被せ物が使えることもある
- 保険適用の条件があるため、すべての銀歯を同じように変えられるわけではない
③ セラミック・ジルコニアなどの自費の修復物
- 見た目の自然さ・色の安定性・強度に優れる
- 噛み合わせや歯の厚みをしっかり診断したうえで設計が必要
- 費用はどうしても高くなる
どの方法が向いているかは、
- 銀歯の大きさ(小さな詰め物か、大きな被せ物か)
- 噛み合わせの強さ・歯ぎしり・食いしばりの有無
- 歯の残っている量
- 患者さんご自身のご希望(見た目・費用・通院回数など)
によって変わってきます。
5. 「全部セラミックにすべき」ではありません
インターネット上では、
- 「銀歯はすべてセラミックに替えるべき」
- 「メタルフリーこそ正義」
のような表現を目にすることもあります。
確かに、セラミックやジルコニアは、
- 見た目が自然できれい
- 金属アレルギーの心配が少ない
- プラーク(汚れ)が付きにくい
といった利点があり、条件が合えばとても良い選択肢です。
一方で、
- すべての銀歯を一度にセラミックに替える必要があるか?
- 噛み合わせや歯ぎしりが強い方に、どこまでセラミックを使うべきか?
- その費用がご本人の生活にとって、無理のない範囲か?
といった点も、冷静に考える必要があります。
当院では、
「全部セラミックにしましょう」と最初から決め打ちすることはありません。
優先順位が高いところから、少しずつという考え方も、十分ありだと思っています。
6. いそ歯科医院での基本的な進め方
奥歯の銀歯を白くしたいとご相談いただいた場合、当院ではだいたい次のような流れで考えます。
① まず現在の銀歯の状態をチェック
- 肉眼・拡大鏡・レントゲンで、虫歯・ヒビ・適合状態を確認
② 「今すぐ治した方がいい銀歯」と「様子を見てもよい銀歯」を分ける
- すべてを一括ではなく、治療の必要性でグルーピングします
③ 白い材料に変える候補を一緒に検討
- 保険でできる範囲
- 自費であれば、どの材料が適するか
- 費用と耐久性のバランス
④ ご希望に合わせて、段階的な治療計画を立てる
- 「今年はここまで」「来年以降はここから」といった形で分割も可能
⑤ 噛み合わせや歯ぎしりの傾向も踏まえて設計
- 強い負荷がかかる部分には、材料の選び方や歯の形の作り方を工夫します
7. まとめ:「全部変えるかどうか」よりも「どこから変えるか」
奥歯の銀歯を白くしたいというご相談は、見た目だけでなく、「今後の歯の寿命」を考えるきっかけにもなります。
大切なのは、
「全部セラミックにするか、しないか」という二者択一ではなく、**「どの歯から、どの順番で、どの材料に変えると現実的か」**を一緒に整理していくこと
だと考えています。
ご相談をお考えの方へ
- とりあえず一度、今の銀歯の状態をチェックしてほしい
- セラミックにした場合と、そのままにした場合の違いを知りたい
- 費用も含めて、無理のない範囲で計画を立てたい
という方は、まずは銀歯の「健康チェック」と治療の優先順位の整理から始めてみませんか。
その場で「全部やる/やらない」を決める必要はありません。
資料をお渡ししますので、ご自宅でゆっくり考えていただいて大丈夫です。
お気軽にご相談ください。
当院では審美歯科の無料メール相談も行っております。是非ご利用ください!
いそ歯科医院 歯周病ホームページ https://www.isodent.
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