治療するかどうか、まずは一緒に整理しましょう
こんにちは。いそ歯科医院 院長の大川です。
鏡を見たときや写真を撮ったときに、

- 前歯と前歯の真ん中にすき間がある
- 子どもの頃は「チャームポイント」と言われたけれど、大人になってから気になり始めた
- 職業柄、人前で話す機会が多く、「笑ったときの印象」を少し変えたい
と感じてご相談に来られる方がいらっしゃいます。
歯科では、前歯の真ん中にすき間がある状態を**「正中離開(せいちゅうりかい)」**と呼びます。いわゆる「すきっ歯」です。
今回は、
- なぜ正中離開になるのか
- 治療する場合の代表的な方法
- それぞれのメリット・デメリット
- 「あえて治療しない」という選択肢も含めた考え方
を、できるだけわかりやすくお話ししたいと思います。
1. 正中離開(すきっ歯)は「必ず治療が必要な病気」ではありません
まず最初にお伝えしたいのは、
正中離開=必ず治療しなければいけない病気ではない
ということです。
もちろん、
- 食べ物がよくつまる
- 発音がしにくい(サ行などが気になる)
- 見た目が気になって、笑うときに口元を隠してしまう
といったお悩みがある場合は、治療によってメリットが得られることも多くあります。
一方で、
- 顎の大きさと歯の大きさのバランス
- 唇の動きや表情との相性
によっては、正中離開がその方らしい雰囲気をつくっている場合もあります。
いそ歯科医院では、
「すき間があるからすぐ治しましょう」ではなく、その方が何を一番気にしているのかをまず確認するようにしています。
2. なぜ真ん中にすき間ができるのか?
正中離開の原因はいくつか考えられます。代表的なものを挙げてみます。
① 顎の大きさと歯の大きさのアンバランス
顎の骨が比較的大きく、その中に並ぶ歯がやや小ぶりな場合、歯と歯の間にすき間ができやすくなります。
真ん中だけでなく、他の前歯の間にも軽いすき間が見られることがあります。
② 上唇小帯(上の唇の裏のスジ)の付き方
上唇小帯と呼ばれるスジが、前歯と前歯の間に深く入り込むように付着していると、その部分にすき間ができやすいことがあります。
大人になってもすき間が目立つ場合、小帯の形・付き方が影響していることもあります。
③ 歯並び全体や噛み合わせの影響
奥歯の噛み合わせや、前歯の傾き・ねじれによって、真ん中に力が集中しにくく、すき間が開きやすいケースもあります。
歯列矯正の途中や、何本かの歯を抜いた後の変化として現れることもあります。
④ 舌・唇の癖
無意識に舌で前歯を押す癖や、唇の力のバランスなどが影響し、少しずつすき間が開いてくることもあります。
原因によって、**「どの治療法が向いているか」「そもそも治療すべきか」**が変わってきますので、まずは診査で背景を確認することが大切です。
3. 正中離開に対する主な治療の選択肢
代表的な選択肢を、「削る量・負担が少ない順」に並べると次のようになります。
- 何もしない(経過観察)+クリーニング・清掃指導
- レジン(歯科用樹脂)で、歯の幅を少しだけ広げる
- 部分矯正・全体矯正で歯並び・噛み合わせから整える
- セラミッククラウンやラミネートベニアで形を変える
それぞれの特徴を簡単に整理します。
4. ① あえて「何もしない」という選択肢
すき間はあるものの、
- 機能的な問題(噛みにくい・発音しにくいなど)がほとんどない
- ご本人も「気になるのは気になるが、絶対に治したいというほどではない」
という場合は、
定期的なクリーニングとチェックを続けながら、まずは様子を見る
という選択肢も十分にありえます。
実際、「長年のコンプレックス」とおっしゃっていた方が、写真や鏡を一緒に見ながらお話しする中で、「そこまで気にしなくても良さそうだ」と感じ方が変わることも少なくありません。
5. ② レジン(樹脂)で歯の幅を少し調整する方法
歯と歯の幅がやや細く、すき間が2〜3mm程度までの範囲であれば、
- 歯をほとんど削らず、
- レジン(白い樹脂)を足して歯の幅を少し広げる
ことで、すき間を**「目立ちにくくする」**方法があります。
メリット
- 歯をほとんど、あるいは全く削らずに済むことが多い
- 比較的短期間・少ない回数で行える
- 取り返しのつかない大掛かりな処置にはならない
デメリット・注意点
- レジンは経年的に着色・すり減りが起きるため、将来的に修正が必要になることがあります
- 形を足し過ぎると、歯ブラシやフロスが通りにくくなり、汚れがたまりやすくなる
- 元の歯の色・形・噛み合わせによっては、自然な仕上がりにできる範囲に限界がある
「完全にすき間ゼロ」ではなく、**「会話中・写真であまり気にならない程度まで」**を目標にすることが多いです。
6. ③ 矯正治療(部分矯正・全体矯正)
以下のような場合には、
- すき間の幅が大きい
- 他の歯並びや噛み合わせにも問題がある
- 将来的な歯の寿命も含めてバランスを整えたい
矯正治療で歯の位置そのものを整える
という選択肢もあります。
メリット
- 歯を小さく削って”かぶせ物にする”のではなく、ご自身の歯を生かしたまま整えられる
- 正中だけでなく、他の段差・ねじれも同時に改善しやすい
- 噛み合わせ全体を見直すきっかけにもなる
デメリット・注意点
- 治療期間が数ヶ月〜1年以上に及ぶこともある
- 費用・通院回数の負担がそれなりにかかる
- 状況によっては、矯正後もわずかにすき間が残ることがある
すき間だけを見るのではなく、
「歯並び全体としてどうしたいか」
を中心に考える必要があります。
7. ④ セラミッククラウン・ラミネートベニアなどの被せ物で整える
前歯の見た目をまとめて大きく変える手段として、
- セラミッククラウン
- ラミネートベニア
などで歯の形・色・幅を一気に整える方法もあります。
いわゆる「セラミック矯正」と呼ばれる形態がこれに近いイメージです。
メリット
- 短期間で、見た目を大きく変えることができる
- すき間だけでなく、色や形も同時に変えられる
デメリット・注意点(ここがとても重要)
- 歯をある程度削る必要がある → 若い方や、もともと健康な歯に対しては特に慎重に考えるべきです
- 将来的に、やり直しや修理が必要になる可能性がある
- 噛み合わせ・歯ぎしりの強さを考慮しないと、かぶせ物の破折や脱離のリスクが高くなる
いそ歯科医院のスタンスとしては、
正中離開を治したいだけのために、健康な前歯を何本も大きく削る治療は、基本的には慎重に検討するべきだと考えています。
8. いそ歯科医院での考え方
正中離開のご相談をいただいた場合、当院では以下のような流れでお話を進めています。
- まずは**「なにが一番気になっているか」**を詳しく伺う
- 写真映りなのか
- 周囲の反応なのか
- 自分の中の感覚なのか
- 歯並び・噛み合わせ・歯ぐきの状態を診査
- 「何もしない」「レジンで少しふくらませる」「矯正」「セラミック」など、複数の選択肢と、それぞれの良い点・注意点を整理
- 歯を削る/削らないの違い、将来のメンテナンスまで含めて一緒に検討
「とにかく白く・揃っていれば良い」という考え方ではなく、「ご本人の希望」と「歯の寿命」のバランスを大事にしたいからです。
9. まとめ:治すかどうかも含めて「一緒に考える」のが正解
真ん中のすきっ歯(正中離開)は、
- ご本人にとっては大きなコンプレックスにもなり得る一方で、
- 他の人から見ると、その人らしい魅力の一部に見えることも多い
という、少し不思議な存在です。
大事なポイントをもう一度まとめると、
- 正中離開は必ず治療すべき病気ではない
- 治療する場合も、「削る量」「将来のメンテナンス」「清掃性」をよく考える必要がある
- レジン・矯正・セラミックなど、それぞれ一長一短がある
- 「全部きれいに揃えればいい」ではなく、その方の価値観・年齢・歯の状態に合わせて選ぶことが大切
という点です。
いそ歯科医院では、
「治すか・治さないか」も含めて、一緒に整理して決めていく場所
でありたいと考えています。
- 何となく気になっているけれど、自分が「本当に治したい」のかどうかもよく分からない
- SNSの情報を見て、セラミックや矯正に踏み切るべきか悩んでいる
という段階でも構いません。
まずは一度、お口の状態とお気持ちを整理するための相談から、気軽にお声がけください。
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